Japanische Klassiker mit Furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Lesen Sie 海上の道 (かいじょうのみち) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 182.344 Zeichen · 353 Bildschirme
宝貝には禁呪厭勝の力ありと信じ始めたのには、必ず別に一般的な心理が働いたのであるが、そういう中でも特に安産の守りとして、これを重んずるようになった頃には、恐らくはもうあの貝の珍らしい形に、もっぱら注意を向けるようになっていたであろう。燕の子安貝という言葉などは日本では相応に古く、あの小鳥が遠い常世の国から、貝を嘴にくわえて飛んで来ることがあるという言い伝えが、我邦にも有ったことは察せられるが、それがどんな形をした貝であったやら、是だけはまだ明らかになったとは言えない。しかし『竹取物語』のあの個条が、やや下品な諧謔を目的とし、子安という言葉には別にちがった内容がありそうにも無いのだから、やはり今日と同じような連想と俗信とが、もうあの頃からあったものと見てよいのであろう。畔田翠山の『古名録』に依れば、ソソ貝だのベベ貝だのという名が、すでに室町期の医書類には用いられており、俗間にはそれよりももっと悪い異名が、今日は流行しているかとも想像せられる。しかしそういう多くのものは、むしろこの貝の人を助ける力を忘れてしまい、ただ形の珍らしさだけに、心を引かれるような連中の思いつきであって、その一つ以前の素朴なる人たちが、まのあたり天然の不可思議に驚き、是に隠れたる霊の作用を認めようとした場合とは、仮に幽かな記憶の繋がり