Japanische Klassiker mit Furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Lesen Sie 海上の道 (かいじょうのみち) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 182.344 Zeichen · 353 Bildschirme
少なくとも日本に関するかぎりは、私たちが是から考えてみなければならぬ。此方の大小の島々の海岸には、広い地域に亙って同種の貝を産するが、その種類は遥かに少なく、色も光も南隣の列島に比べて、かなり貧しくまた劣っているかと思われる。それでいてタカラ貝またはニシキ貝という言葉が、いつの世からともなく行われているのである。或いは震旦上代の宝貝の名を知って後に、それを直訳したとも見られようが、わが語のタカラが彼の「宝」に当るということにも若干の思慮を必要とする。そうして一方には南方の或る島々を、都貨邏と呼んでいたことも年久しいのである。ちょうど故尚男爵の蒐蔵を観て、自分が感じたような大きな驚きを、昔も経験した人が非常に多かったか。ただしはまた自らもああいう美しいものを愛玩していた時代が一度はあって、後ようやくに、寒い大きな島に移って行き、陸上の美しい色彩に目を転じなければならぬような境涯に進出して来たのであろうか。問題は結局するところ、いわゆる曲玉の芸術文化が、外から入って来たか、内にあるものが、変展して来たか。仮にあの材料の石類がみな手近かにあったとしても、あれを斫り研き磨って穴をあける技術が備わるまで、頸に玉を貫いて掛ける風習が、始まらずに待っていたか。