Japanische Klassiker mit Furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Lesen Sie 海上の道 (かいじょうのみち) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 182.344 Zeichen · 353 Bildschirme
この儀来婆の儀来はギライカナイ、すなわち『おもろ草紙』のニライカナイの転訛であった。それが日本人の謂う竜宮のことだということは、『遺老説伝』の筆者は勿論、それより百数十年前の袋中上人にもわかっていたのだが、その知識はついに民間には普及しなかったのである。南の島々の語音は転訛の歩みが、こちらよりもさらに速かったように思われる。「おもろ」は幸いにして古い形を固守していてくれたが、その中にさえも稀にはミルヤカナヤがある。離島の中でも、久米島の神歌にはヂルヤカナヤ、もしくはヂロヤカナヤがあり、伊平屋島にはナルクミテルクミがあり、奄美大島の春祭に迎え送らるるナルコ神テルコ神なども、まだ確証はないが、同じ系統の語かと想像せられる。「儀来河内」というような無意味な漢字に接したのは新らしいだろうが、袋中の『神道記』にもその端緒は見え、それがまた『椿説弓張月』を透して、夙く私たちの間にも知られていた。神歌が古来の神がかりの方式を遵奉して、厳格なる対句駢頭の表現を守っていなかったら、今頃は或いはニルヤと儀来とは、全く別の世界というような解説が生まれていたかもしれない。