Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
なぜと云って、青木愛之助は、今では元の姿を失って、明智小五郎に改造されている。明智を青木と感違いするのは無理もないことだ。それに、幽霊男は、贋明智の青木が逮捕されたとは知る由もなく、一方本物の明智がこの空家を逃げ出したのも、まだ気附いていないのだから、今外から這入って来たのが、贋の明智即ち青木愛之助だと思い込んでいるのは、当然のことなのだ。
それと悟ると、明智はおかしさを堪え、咄嗟の機転、賊の屡々用いたトリックを逆用して、さも青木らしく装いながら、
「大変です。警察がこの隠家を悟ったらしいのです。イヤ、悟ったばかりではない。もうとっくに、敵の廻しものが、姿を変えてここへ這入り込んでいるのです」
と惶しく囁いた。
「え、警察の廻しものが?」贋品川はサッと顔色を変えた。「そいつはどこにいるのだ」
「ここにいるのです」
「ここというと?」
「この部屋にです」
「オイ、冗談を云っている場合ではないぜ。この部屋には、君と僕の外に誰もいないじゃないか。それとも、あの人形共の中に、そいつがいるとでも」
幽霊男は、不気味そうに、群がるはだか人形を見廻した。
蝋細工の人形共は、黒い目をパッチリ開いて、まるで生きている様に、ジロジロとこちらを眺めている。