Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
「でしょう、僕はここが非常に気に入っているんですよ」
という様なことから、二人の間に段々話がはずんで行った。愛之助は酒に強くないので、チビチビ嘗めた二杯のウィスキイで、もう酔ってしまって、ボンヤリと、いい気持になっていた。そこで、彼は例によって「退屈」について語り始めたものである。
相手の紳士は、同感と見えて、成程成程と肯きながら聞いていたが、暫くすると、非常に婉曲な云い廻しで、愛之助の身分を尋ねるのだ。青木は酔っていたものだから、知らず識らず相手の調子に乗せられて、彼の身の上を語っていたが、流石にふと気づいて、変な顔をして尋ねた。
「オヤオヤ僕は自分のことばかり喋っていましたね。ところで今度はあなたの番だ。ハハハハハハ御商売は」
すると相手の紳士は、一寸とりすまして見せて、意外なことを云うのである。
「私はね、これで一種のサンドイッチマンですよ。これからあなたにビラを配ろうという訳なんです」
何とまあ立派なサンドイッチマンであろう。
「イヤ決して冗談ではありません」と紳士は続けるのだ。「私は実は、あなたの様な猟奇……者ですかね、つまり好奇心に富んだお方を、こうしてカフェなどを歩き廻って探すのが役目でしてね。