Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
芳江は、非常に唐突にガラリと変った夫の態度が呑みこめなくて、ボンヤリと蹲っていた。彼女は蒼ざめた夫の顔に、物凄い敵意を認めた。血走った目が怒りに燃えているのを見た。
彼女は一種の耐え難い侮辱を感じて、俯伏して、身体を震わせて、泣き出した。
愛之助はそれを慰めようともせずいきなり着物を着て、哀れな妻を残したまま、もう夜明けに近い戸外へ出て行った。
彼は人通りのない廃墟の様な町を、めくら滅法に歩いて行った。
「確かに、確かに、女は人種が違うのだ、どこか魔物の国からの役神なのだ。嘘をつく時には真から顔色までその通りになるのだ。泣こうと思えば、いつだって涙が湧いて出るのだ」
今更らの様にそれを感じた。
「だが、うっかり尻尾を出してしまった。あの仕業は確かに確かに俺の教えたことでない。俺はそんな被虐色情者じゃない。あいつは、幽霊男に教わったのだ。そして彼女もいつの間にかサジズムを愛し始めたのだ」
これは決して彼の妄想ではなかった。動きの取れない証拠があった。彼は例の赤い部屋での、幽霊男とある女性との遊戯を、まざまざと記憶していた。今夜の芳江の仕業は、そのある場面と寸分違わなかったではないか。