Japanische Klassiker mit Furigana
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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme
そのなかには江戸の浅草海苔もあった。越前の雲丹もあった。播州路の川で獲れた鮎のうるかもあった。対山はまた一つの抽斗から曲物を取り出し、中味をちょっぴり小皿に分けて客に勧めた。
「これは八瀬の蕗の薹で、わしが自分で煮つけたものだ。」
客はそれを嘗めてみた。苦いうちに何とも言われない好い匂があるように思った。対山はちびりちびり盃の数を重ねながら、いろんな食べ物の講釈をして聞かせた。それを聞いていると、この人は持ち前の細かい味覚で嚼みわけたいろんな肴の味を、も一度自分の想像のなかで味い返しているのではあるまいかと思われた。そして酒を飲むのも、こんな楽みを喚び起すためではあるまいかと思われた。
客はそんな話に一向興味を持たなかったので、そろそろ暇を告げようとすると、対山は慌ててそれを引きとめた。
「まあよい。まあよい。今日は久しぶりのことだから、これから画を描いて進ぜる。おい、誰か紙を持って来い。」
彼は声を立てて次の間に向って呼かけた。
画と聞いては、客も帰るわけには往かなかった。暫くまた尻を落着けて話の相手をしていると、対山は酒を勧め、肴を勧めるばかりで、一向絵筆をとろうとしなかった。