Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

「お花見も毎年のことだから、今年は趣向を変えて、敵討の茶番を出そうと言い出したのは、出雲屋さんでした」

「…………」

「出雲屋さんは二枚目型だから、敵を討つ方の巡礼、私はこんな柄ですから、討たれる方の虚無僧で」

「…………」

平次は黙って先を促します。砥の粉を塗って、隈を入れた顔、尺八を持って一刀を手挟んだ面魂は、五尺五六寸もあろうと思う恰幅の、共にいかさま敵役に打って付けの油屋兼吉です。

「ここで落ち合うのは申刻半(午後五時)出雲屋さんが敵名乗を揚げて、二人が竹光を斬結んだところへ、良助さんが留め女に入って、三味線を弾くと、巡礼の出雲屋さんと、六部になった倉松さんの笈摺から、酒肴が出るという寸法で」

「その竹光を見せて貰おうか」

「ヘエ――」

虚無僧の兼吉が、鞘ごと出した一刀、平次は引っこ抜いてみると、これは紛れもない銀紙貼りの竹光、人など斬れる代物ではありません。

「それからどうした」

「出雲屋さんは一足先へ出ましたが、あとの三人はお店の人達と一緒に、バラバラに出掛けるうち、――私は家から使いの者が来て、途中から瓦町まで引返し、四半刻(三十分)ばかり手間取って来ると、この始末でございました、ヘエ――」