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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

旦那様の疵は、右の頸筋で、後ろから右手に剃刀を持って斬ったのでしょう。――そんな事が出来るものですか、伝之助叔父さんは、右手に刃物を持つと、紙も切れないくらいなんです」

「…………」

「それに、伝之助叔父さんはあの時、土蔵の中に入っていました」

「えっ、お前はどうしてそれを?」

驚いたのは金六――いや、それよりも驚いたのは伝之助自身でした。

「朝の御飯が済むと、そっと入って、半刻ばかり何かしていました。多分、お金を取出したのでしょう。金箱の鍵はむずかしいから、旦那でないと、なかなか開かないそうです」

お藤の言葉には、寸毫も疑いを挟む余地はありません。

「それは本当か、伝之助」

と金六。

「面目次第もございません。――今日に迫った内証の払い、どう工面しても三百両とは纏まらなかったので、兄には済まないと思いましたが、朝の忙しいところを狙って、そっと蔵の中に忍び込み、違った鍵と釘で大骨折りで金箱を開け、三百両取出したに相違ございません。その証拠は、開けるにはどうやら開けましたが、あとを閉める工夫が付かないので、金箱はそのまま錠をおろさずにあります」

打ち萎れた伝之助に嘘がありそうもありません。