Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
「それじゃ訊くが、今朝は主人と睨み合って朝飯もそこそこに、どこかへ姿を隠したそうだが、――あの騒ぎの起るまで四半刻(三十分)ばかりの間、どこに居なすった」
「私の部屋ですよ」
「誰か見ていたのか」
「いえ」
「誰も見ないとすると、自分の部屋に居たか、湯殿に居たか判るまい」
「親分、そりゃ可哀想じゃありませんか。私は、そんな大それた女じゃありません」
「気の毒だが、疑いはみんなお前の方へ向っている」
「そんな、そんな、馬鹿なことがあるものですか、私は口惜しいッ」
お直はとうとう泣き出してしまいました。白粉の凄まじい大崩落、春雨に逢った大雪崩のようなのを、平次は世にも真顔で凝っと見詰めております。
「親分さん、――それじゃア、お直さんが可哀想じゃありませんか、そんなにいじめて――」
お藤は見兼ねた様子で、また入って来たのです。
「お藤さんか、気の毒だが、主人殺しはこの女より外にない」
「いえ、大変な間違いです。お直さんは良い人です。――それに旦那が死ねば、この先お直さんの面倒を見てくれる人がありません、万次郎さんとは仲が悪いし」
お藤はやはり一番壺にはまった事を言いました。