Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
「それに、お客様は跣足だ。大玄関からは上がられませんよ――さア、遠慮はいらねえ、そこから入って来るがいい」
ガラッ八は平次へ半分、後ろの客へ半分声をかけました。
「…………」
黙って木戸を押して、庭へ入って来たのを一と目、平次の顔は急に引き締ります。
取乱してはおりますが、十八九の美しい娘が、足袋跣足のままで、入谷から神田まで駆けつけたということは、容易のことではありません。それに、平次の早い眼は、娘の帯から裾へかけて、斑々と血潮の付いているのを、咄嗟の間に見て取ったのです。
「まア、ここへ坐って、気を落着けるがいい。話はゆっくり聴こうじゃないか」
「…………」
「静、水を一杯持って来てくれ」
平次は縁側へ娘を掛けさせると、女房のお静が汲んで来た水を一杯、手を持ち添えるように、娘に呑ませてやりました。
蒼白い顔や、痙攣する唇や、洞な眼から、平次は事件の重大さを一ぺんに見て取ったらしく、何よりこの娘の心持を鎮めて、その口から出来るだけの事を引出さなければと思い込んだのです。
「有難うございます」
冷たい水を一と息に呑むと、娘はようやく人心地付いたのでしょう。