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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

師走の夜の空は、宵から雪模様になって、風はありませんが、妙に底冷えのする晩でした。

「こんな時は曲者だってうろつくのは骨が折れるだろう。自分の巣の中に潜って、晩酌でもやっているんじゃないか」

八五郎はこんな事を言います。自分がお役目を好い加減にして、パイ一にありつきたかったのでしょう。

「月の無いよく霽れた晩に限って荒し廻る曲者だ。この空合いじゃ、泥棒より雪の方が先に来そうだぜ」

伊三松も喉の鳴るのを我慢していたのです。

「泉屋の表は締めてあるし、店には多勢寝ずの番が居るし、こう見張っているだけが無駄みたいなものさ」

「自棄な寒さじゃないか」

「ハクショ」

そんな話をしていると、番太の親爺が、戸棚を開けて、貧乏徳利を一本持出して来ました。

「貰ったのがありますが、ちょいと燗をつけましょうか。たんとはいけねえが、ほんの少しばかりなら、寒さ凌ぎになりますよ」

「爺さん、そいつはいけねえ、飲むなら向うの隅っこで一人でやんな、見せびらかすのは殺生だぜ」

ガラッ八はさすがに良心がありました。がしかしその良心はいつまで続くことでしょう。やがて亥刻半(午後十一時)という頃、辻番の前を泉屋の提灯が通って、真向うの表戸を開けて入ったのを見た頃は、ガラッ八も伊三松も、酔眼矇朧として、一升の酒の量の良いことを褒めたたえていたのです。