Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
「一方、研屋五兵衛は、腹を切るどころの沙汰か、せせら笑って私の言うことなど相手にしない。強いて談じ込めば、事荒立てて、罪をこの良右衛門一人に被せようと言うのだ。あまりの事に、たまり兼ねて、最後の覚悟を定め、予て用意した五兵衛の遺書に日付まで入れて行った晩の事は――平次、お前が見通した通り、寸分の違いもない」
「…………」
「この上はなんとでもしてくれ、善悪はともかく、人一人殺した私だ、素より生きていようとは思わぬ――」
さすがは武士の出でした。石川良右衛門、一身投出して、もはや悪びれた色もありません。
「よく解りました、旦那、そうおっしゃって下されば、私にも致しようがあります。その貞宗の佩刀を持って、ともかくも、私と一緒に入谷まで、お出で下さいませんか」
「どこまでも行こうよ」
二人は根津から入谷へ、――薄寒い早春の夜風を衝いて急ぎます。
*
「八、変りはないか」
平次は寮の入口から声を掛けました。
「二日見張ったよ、親分。一人も出さず、一人も入れずさ、それから、箸より重いものは、誰にも持たせねえ」
八五郎はヘトヘトに疲れながらも元気よく応えます。
「それはいい塩梅だ」