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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

界隈の老舗で、古めかしく大きな家ですが、油、紅、白粉から、一切の化粧品、香料など売った油屋も、時世に遅れ勝ちで、何となくさびれて見えるのは是非もないことでした。

「お、銭形の親分さんじゃありませんか」

いきなり声を掛けられて、平次の方が驚きました。若主人の佐吉は、路地の奥で、変な男と立話をしていたのです。

「お、佐吉さん、ちょいと訊きたい事があるんだが――」

「まあ、お通り下さい。店はゴタゴタしていますが、奥は静かですよ。――今も、お隣の宗七さんと今晩は碁でも打とうか――と話していたところで」

佐吉に紹介されると、五尺八寸もあろうかと思われる変な男は、二つ折になるように小腰を屈めました。足が少し悪い様子です。

「それどころじゃありませんが、――佐吉さんは白粉の濃い首筋に古傷のある女に心当りはありませんかえ」

「あれですか――ないこともありません。まア、どうぞ」

心当りがないこともないと言われると、平次もこのままでは帰られなくなりました。佐吉に誘われるまま、裏木戸を開けて狭い中庭へ――。

「とんだお邪魔で――」

「まア、どうぞ、お茶でも入れさせましょう」

平次はいつになく気楽にそこから入り込みました。