Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
と簡単に引き受けてしまったが、それから実に二十三年、銭形平次の捕物を今でも書き続けている。四十枚から五十枚の短篇だけでも三百篇、中篇長篇を加えたら、三百二十篇にはなるだろう。作者の私自身も、よくもこんなに書き続けたものだと思っている。
昔から、長い小説は随分ある。『源氏物語』『アラビアン・ナイト』『南総里見八犬伝』『戦争と平和』『水滸伝』『大菩薩峠』と。だが、その多くは一つの筋の発展で、起承転結のある、幾百の小説の集積はあまりない。探偵小説にはフランスの『ファントマ』や、イギリスの『セキストン・ブレーク』があるが、それは多勢の作者が力を協せた作品で、一人の頭脳と手から生まれたものではない。
こういうと、大層自慢らしく聴こえるが、誰もやったことのない事をやり遂げるというのは、誰にしてもなかなか楽しいものである。ビルからビルへ針金を渡して綱渡りするのも一升何合の大飯を食うのも、私が夥しい小説を書いたのと、あまり大して変わらぬ優越感であろう。『大菩薩峠』の作者は屡々その長いのをもって誇っていたが、私もまた、その例に漏れないのに気がついて、今さら苦笑する次第である。