Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
もっとも、トリックの新奇を競う結果、探偵又は捕物小説は、神経が繊細になり、怪奇になり、現代人の生活や常識から、かけ離れていく傾向のあることもまた已むを得ない。激しい競争や、高度の文化の惹き起こす混乱は、口惜しいことではあるが、何時でもこういったものである。
生前の正岡子規が、明治三十二三年の頃、後輩の俳人に教えてこういったことがある。
「俳句に上達したければ、少なくとも一万句は作り捨てるがよい、君達の思想にコビリ付いている先人の残滓、例えば、蛙飛び込む水の音とか、日ねもすのたりのたりかなとか、そういった月並な考え方はみんな出尽くしてしまって、それから始めて銘々の本当のものが出て来る」と。まことに面白い言葉だ。俳句も詩も小説も、作るものの苦心に変わりのあるはずはない、まして先人の真似も許されない探偵、捕物小説の構成や、その生命ともいうべきトリックは、生涯書いて書いて、書き捨てて、始めて新しい良いものが生まれるのではあるまいかと、私はいいたいのである。本当の天才の境地を私は知らない、我々凡才、濁った脳漿を持ったものは、汲み出し、汲み捨てるより外に、智恵を浄化する術はないのである。