Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

香炉の紛失はいわば私事、こんな事を頼んではすまないが、これは金ずくでも力ずくでもかなわない。いよいよ香炉が出てこないとなると、私の命一つはともかくとして、さる大々名のお家の瑕瑾ともなるかも解らない。折入っての願いだが、何とか一と骨折っては下さるまいか」

玉屋金兵衛は、畳に手を突かぬばかりに頼み入ります。大町人らしい風格のうちに、茶や香道で訓練された、一種の奥床しさがあって、こうまで言われると、平次もむげには断り切れません。

「宜しゅうございます。それ程の品が無くなるのは、容易ならぬわけのあることでしょう。出るか出ないかはともかくとして、一つ当ってみるとしましょう」

「有難い、親分」

「ところで、無くなったのはいつのことでございます」

「昨夜の宵のうち、――詳しく言えば、戊刻(八時)頃までは確かにあったが、今朝見ると無くなっている」

「怪しいと思った者はありませんか」

「外からは容易に入れるはずはないから、家の中の者だろうと思うが、困ったことに、その部屋は一方口で、手前の部屋に居たのは、私の娘お幾の踊友達、親類のように付き合っている、お糸という十九になったばかりの娘だけなんだが――」