Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
金五郎の怒りは、憤々として、どこへでも焔を挙げます。
「つまらない事を言うな、――それより昨夜お前はどうしたんだ」
金兵衛は聴き兼ねた様子で、金五郎の肩を掴みました。
「どうもしやしません。甚助がコソコソ外へ出て行くから、またいずれ悪い事の支度だろうと、後を跟けて行ったまでの事です。もっとも出る時手間取ったのでどこへ行ったか、すぐ見失ってしまいましたよ。しばらくお糸の家の前に立っていたけれど、親父の与次郎は留守のようだし、留守番に頼んだ近所の婆さんと顔を合せるのもイヤだから、すぐ戻って来て寝てしまいましたよ」
金五郎もいくらか穏やかになって、これだけの事を説明してくれました。時間からいえば、間違いもなく甚助の殺された時誰も見ていない外に居たはずの金五郎ですが、若旦那育ちの細腕で、相当したたかな甚助を、締め殺せるとは、どうも受取れません。
平次は、疑いを残して今度はお幾に逢いました。が、これは泣くばかりで、何を訊いても解りません。多分、お糸が出現してから、金五郎の心が急速にそっちへ傾いて行くのを見て、一時は踊に没頭して、何もかも忘れようと骨を折ったのでしょう。