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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

「不都合な奴だ、――あといくら欲しいと言うのだ」

「ヘエ――、ほんの十両ばかり」

平次は下品に左の掌をヒラヒラさせながら、武士に近づきました。

「少し声は違うようだが、長吉に相違あるまいな」

「ヘエ――」

「手拭を取れ」

「ヘエ――」

懐を探って取出した十両の金子を左手に持ったまま、覆面の武士は躊躇しております。

「頬冠りを取れと言うに」

武士は一歩進むと見せて、空いた右手が一刀の柄に掛りました。

「旦那え、それを抜くと後悔なさいますよ」

「…………」

「それよりは、黙って十両お恵み下さいまし、――五六人の仲間を八方に隠してありますから、その人切庖丁を抜くのを合図に、見附の番所へ飛びますぜ」

「何だと?」

「江戸中を騒がせた辻斬――、その上に小田巻の旦那と、研屋忠兵衛を殺した――」

「黙れ黙れ」

覆面武士が威嚇的に乗出しますが、平次は自若として驚く様子もありません。

「裏金の無い雪駄が何より証拠で、へッ」

「もういい、――さア、十両だ。これを持って、今度こそ間違いなく京、大坂へ行くのだぞ」

「ヘエヘエ、それはもう」

差出した武士の手、平次はその小判を受取るような格好で一歩近づくと、