Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.866 Zeichen · 318 Bildschirme
「手が逆になるぜ」
「…………」
「それに、窓を開けっ放したままで、死んでいたって言うじゃないか。景色を見ながら首を縊る奴はあるかも知れないが、暗闇を眺めながら喉を突く人間は無いよ」
「そう言えばその通りだが――」
三輪の万七は考え込みましたが、平次のように、素晴らしい智恵が、後から後から浮んで来るはずもありません。
「遺書は――? 万七親分」
平次は話題を変えます。
「八丁堀へ持って行くはずだが、もう少し考えてみる積りで、ここに持っているよ」
万七はそう言いながら、懐から八つ折の半紙を二枚ほど出しました。
「なるほど、これが遺書なんだねエ」
「本人の筆蹟に間違いはないよ」
畳の上に拡げた遺書の上へ、四人の眼が四方から注ぎました。プーンと良い匂いがします。しばらくすると平次は、
「こりゃ変だぜ」
うさんな首を傾けます。
「何が変なんだ」
と万七。
「八つ折に畳んで、長い間持って歩いたんだろう。折目がひどく痛んで、変な匂いまで付いているが、――可怪しいのは日付だよ」
「三月四日というと、昨日だ」
「遺書は二た月も三月も前に書いたのかも知れないが、日付を入れたのは、多分昨日だろう。