Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
「えッ、黙らないか。ここを何と心得る」
「地獄の一丁目でしょうな」
「汝れッ」
抜いた一刀、ピカリと来ても平次は驚く様子もありません。
「もう一つ、上総屋吉兵衛の死骸を頂いて参りましょうか」
「な、何と言う」
「娘を無事に戻したさに参った吉兵衛、それを縛り首にした不仁だけでもお前さん腹を二三十切っても追っ付くまいぜ。吉兵衛は家を出るとき立派な書置きを書いている。そればかりではない。この屋敷のお長屋で殺されかけた吉兵衛が、消炭で書いた手紙を外へ抛ったとは気が付くまい。吉兵衛が殺されても、精いっぱいの仕事をして行ったお蔭、――憚りながら、あっしの上役の笹野様という物のわかったお方が、吉兵衛の書いた二本の遺書を持って、大目付の御役宅に行っておられる。今晩中に娘のお袖と、この平次が無事で帰らなきゃ、明日は龍の口で佐野家取潰しの願いが取上げられるんだぜ。おい御用人、どうしてくれるんだ。消炭の書置きは、吉兵衛が殺される晩、表門お長屋の左三つ目の窓から抛ったのさ。どうだ驚いたろう」
「…………」
「嫁が欲しきゃ、尋常に手順を履むがいい。千二百石の殿様が、町娘を手籠めにして済むと思うか。