Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

「一体どうしたというのだ、話してみるがいい」

平次は静かに問い進みました。

「お新さんというんですよ。九つになる弟の信太郎と八つになる妹のお光と、二人一緒に行方不明になって、母親とさんざん心配していると、一昨日の晩ヒョックリ信太郎が帰って来て――」

「何? 帰って来た、――あの五人組の一人だな」

「――何を訊いても言わねえ様子を見ると、三日のあいだ、子供心にもどんなに心配したものか、賽の河原から逃げ帰ったようにやつれているが、どこへ行ってどうしていたか、なだめても、すかしても言わねエ」

「それからどうした」

「とにかく、夜更けでもあり、本人が脅え切って、雨戸を開けるのさえ怖がるから、万事は夜が明けてからとして、親子三人一室へ床を敷いて、トロトロとするともう朝だ。母親は食事の仕度をして、お新さんは町役人やら、一緒に子供の見えなくなった家へ知らせて帰ると、不思議なことに、六畳に寝ていたはずの信太郎は見えない」

「フーム」

八五郎の話すのを聴きながら、お新はまたドッと湧き上がる新しい涙にひたっております。

「また大騒動になって、町中探したが見えない、一日一と晩騒ぎ疲れて、今朝になると――」