Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
もっとも最初に駆け付けた近所の衆の話では、その時はまだ息があって「茶碗」「茶碗」と言ったというのですが、金杉の竹松はその意味を追及しようともせず、いきなり久吉に眼をつけて縛ったというのでした。
久吉の身持は、お弓というものがあったせいか、店中でも堅い方で、貯蓄らしいものもほんの二三両はあります。もっとも、要屋で聴くと、決して香しい方ではなく、他家から入って家督に直った主人の山之助などは、口を極めてというほどでなくとも、ことごとに久吉の陰険さをほのめかします。
最初の手段は、まだ八丁堀に留められている久吉に逢って、隠宅を飛び出してから、路地の死骸の側へ来るまでの四半刻をどこで過したか聴く外はありません。
これもしかし平次の失敗でした。久吉は平次のことをわけての理解にも耳を塞いで、頑強にそれを拒みつづけるのです。
「久吉が他に言い交した女でもないのか。お弓の手前、言いそびれているんじゃあるまいか」
平次はそんなことまで考えましたが、ガラッ八に洗わせた結果は、お弓に熱中した久吉は、他の女などを振り向いても見なかったという証拠が、際限もなくあがって来るだけ。