Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
金箱も用箪笥も錠前が確りしておりましたから、泥棒が入ったはずもありません」
宗助はおよそ腑に落ちない顔をするのでした。
「親分」
宗助の後ろ姿を見送って、ガラッ八はそっと耳打ちをします。
「あの番頭が怪しいというのか。――そんな事はないよ。自分さえ黙っていれば、誰も気の付くはずのない金の不足のことを言うんだもの。日本一の正直者さ」
外へ出てみると、店と母屋が土蔵に並んでギュウギュウに建った上、その奥には長屋が二軒、一軒は石巻左陣の浪宅で、一軒は空いたまんまです。
「覗いてみましょうか、親分」
ガラッ八が誘うまま、平次も勝手口の方から枝折戸を押して、石巻左陣の浪宅の前に立っておりました。
「お、これはこれは銭形の親分」
左陣は内職の袋物を押しやって、秋の陽ざしの中に顔を出しました。これで武芸学問の心掛けがあったら、三百石にも踏めそうな人柄です。
「石巻の旦那ですか、とんだお邪魔をします」
「なんの、邪魔どころか、私はとんだ物好きで、捕物が面白くて面白くて仕様がないのさ。その後どうなったえ、親分」
「一向眼鼻が付きません。いずれこの八五郎が縛ったお絹か、三輪の親分の縛ったお半か、どっちかが下手人でしょう。