Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
ニヤリニヤリと薄笑いしながら、恐ろしく粘った調子で、こんな歯切れの悪いことを言う人間を、平次は見たこともありません。
「けさお前は何をしていたんだ」
「いつもの通り、帳面をしておりました。家賃や地代の払わない分を纏めて、五日には一と廻りしなきゃなりません」
これだけのことを言うのに、ざっと四半刻(三十分)もかかりそうです。この調子で地代家賃の居催促をされたら相手はさぞ参るだろうと思うと、ポンポン言いながらも平次はツイ可笑しくなります。
「お万は人に殺されたんだぜ。お前さんに下手人の心当りはないのか」
露骨に直截に言う平次。
「ヘエ、――殺されましたかな。――あの女ばかりは人に殺されそうもない女でしたが」
「何故だい」
「ガラガラして、薄っぺらで、気軽で、尻軽で、人間が面白くて、浮気っぽくて」
「たいそう悪く言うんだね――お前も怨みのある方かい」
「御冗談で、――私はあんなのは虫が好きません――死んだ者を悪く言っちゃ済まないが、――もっとも、若旦那と来た日にゃ、顔を見るのもイヤだと言っていましたよ」
「お前さんとこの家は、どういう引っ掛りになるんだ」
「私の親父と、亡くなった大旦那は無二の仲でしたよ。