Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
「履物は?」
平次は近所の人に訊きました。
「足袋はだしでしたよ」
「刀の鞘と一緒に流れたのかな。――八、人足を頼んで川をあさってくれ。武家の履物の揃ったのと、脇差の鞘があるだろう」
「ヘエー」
八五郎は心得て飛んで行きます。
その間に平次は、小舟を出させて、石垣の工合から、桟橋の様子を眺めましたが、石垣には何の異状もなく、ただ、一箇所桟橋の板を縛った縄が解けたのを、素人細工で結び直したところが眼についただけです。
「石垣の間に、何か隠してあったんですか、親分」
八五郎はもう帰って来ました。
「いや、そんなものはないよ。石垣が一つでもゆるんでいて、中に千両箱でも隠してあると面白いんだが――近ごろ修覆したばかりで、何の細工もないところを見ると、城弾三郎はわざと川へ入ったのではないかも知れない」
「すると?」
「解らないなア。とにかく、もう少し陸をあさってみよう」
そこから平次と八五郎は、福井町の城弾三郎の浪宅へ行ってみました。
浪宅といっても、なかなかの構えで、留守は若い綺麗な下女と婆やの二人、おさのにお倉といって、伯母姪同士が奉公していると言いますが、おさのの方は、弾三郎の妾だったという近所の噂が本当でしょう。