Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
もっとも高木勇名という男は、一年ほど前から大病で、身動きも出来ないということだ」
「すると?」
「高木勇名の方で、機先を制して城弾三郎を討ったという疑いは充分にあるわけだが、大病人が平右衛門町まで行くのはおかしい」
戸倉十兵衛はそう言って人の悪そうな冷たい笑みを片頬に漂わせるのでした。
念のため死骸を見せて貰いましたが、胸の傷は背中まで抜けて、恐ろしい剛力で脇差を突立てたと分りますが、それにしても心得のあるはずの城弾三郎が、刀の柄に手も掛けていなかったのが不思議です。
「城さんは、やっとうの方はどうでした」
「立ち会ったわけではないが、話の工合や眼の配り、身体のこなしなどから見て、よほど出来る様子であったよ」
「それをたった一と太刀でやったのは、よっぽどの腕でしょうね」
「大変な力だな。――それにしても、脇差を抜かずに、そのまま置いて行ったのはおかしい。武士の作法にはないことだ」
「脇差はどこへやりました」
「役人が持って行ったよ。大した銘刀ではないが、決してなまくらではなかった」
「城さんの昵懇な方は、他にありませんか」
「一向気が付かないが、まずあるまいな。世間付合いを好きな方ではなかった」