Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
親分の言ったことが一分一厘違わず当ったんだ。――お松はあのギヤマンの鏡を、時次の野郎に貰ったに相違なく、時次はあれを平右衛門町の路地で拾ったと言っていたが、二三十引っ叩かれると、苦もなく恐れ入ってしまいましたよ」
「死骸の懐ろから抜いたんだろう」
「その通り。――それも念入りに、引き潮の川へ落ちていた死骸を引揚げて、その懐ろから抜いたというじゃありませんか。呆れ返ってお松も愛想を尽かしていましたぜ」
「よく死骸が見付かったね」
「夜釣に行こうかしら――と、桟橋の上に立って潮の工合を見ていると、ちょうど月が上って来たんですって。見るともなく見ると、足元の石垣の下に、半分水につかって人間が落っこっている。怪我で落ちたものと思い込んで引揚げてみると、胸に脇差が突っ立って息が絶えていたんだそうで、胆をつぶして逃げかけたが、あの野郎慾張っているから、恐る恐る引返して懐ろへ手を入れてみた――」
「何があったんだ」
「懐ろ鏡が一つと、香木と、蜻蛉玉と、何とかいう茶入が一つ。それに金が小判で三百五十両」
「恐ろしく持っていたんだな」
「時次の野郎猫ばばをきめて、懐ろ鏡一つでお松の気を引こうなどは太え料簡じゃありませんか」