Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
「ところが、その普賢菩薩というのが大変なんで。木で彫った仏様には違えねエが、象の上に乗っかっていなきゃ、そのまま大籬から突き出せそうな代物ですぜ。胡粉を塗って極彩色をして、ニンマリと笑っているんだが、その仇っぽいことと言ったら――」
ガラッ八はそう言いながら、額を叩いて、舌をペロリと出すのです。よっぽど普賢菩薩に魅惑されたのでしょう。
「馬鹿だなア」
平次は取り合おうともしません。
「それだけじゃ種にならねエが、見ていた人の話に、お鈴が川へ飛び込む前、河岸っ縁で、しばらく男と揉み合っていたそうですよ。そいつがどうかして、お鈴を川の中へ突き落したんじゃありませんか」
「そいつは俺に訊いたって分らねエよ。――昨夜は月が良かったのか」
「十五夜ですよ、親分。まだ涼みには早いが、あの辺りはチラリ、ホラリと人通りが絶えませんよ」
「そんな物騒な場所で、娘一人川へ突き落す奴があるのかな」
「だからあっしも変だと思うんで」
「それとも、普賢菩薩の木像に、何か曰くがあるのかな。台座に穴でもあいて、そこへ古証文を隠しているとか何とか」
「そんなものはありゃしませんよ。台座は木目がきちんとして、継目も合せ目もないし、仏体も鑿の跡が揃って、種も仕掛けもありません。