Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
いまの人には、他人が見ていなければ、何をしたってかまわないという気持がある。江戸の人は他人が見ていなくても、へんなことはしなかった。たとえば両国の見世物に入ったところを他人に見られようものなら、とんでもない恥としていた。こうした江戸の気風というものは、パリやロンドンあたりの伝統的な気風と、よく似ているように思われるんですがね。
江戸人には、たしなみというものが、それくらい大きな支配力を持っていた。それで私は、たしなみのある女こそ一番美しい女じゃないだろうか――というテーマで小説を書いたことがあります。
これを江戸の人は、みんな持っていました。それをいまの人は持たなくなっている。私が平次、八五郎を書くと、回顧的だとか退嬰的だとかいわれるが、それは間違いで、江戸のもつたしなみとか、江戸の所作とか、江戸の郷愁とか、これを忘れてはいけない。あれを振り返って考えることは、新しい文明をつくる上に必要なことなんだから……。
案外、日本のマゲ物小説が読まれるというのは――いまのマゲ物はチャンバラじゃない。チャンバラのマゲ物は大正末期から昭和初期のもので、いまのものは、江戸という回顧の世界のなかに、一つの理想郷を求めるという書き方になっています。