Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
「なお悪いや」
「おやおや、やはり御神籤だ――たぶん昨日引いたのへ書き込んで今日持って来たんだろう。『第廿七吉、禄を望んで重山なるべし、花紅なり喜悦の顔、か。――病人は本服すべし、待人来るべし――』そんな事はどうでもいいとして、見事な筆跡で書き入れがしてあるよ。『当方無事、あと三日のあいだ、命にかえて頼み入る』と」
「それは何の事でしょう、親分」
「判らないよ」
「驚いたなア、親分が判らなかった日にゃ、天道様にだって判るわけはねエ」
「馬鹿なことを言え。――ところで、もう赤い御神籤を取りに来る刻限だろう。これを元の通り格子へ結んでおいてくれ」
「ヘエ」
「いやな顔をするな。――精いっぱい縁結びに取憑かれているような顔をするんだ」
「驚いたなア」
ブウブウ言いながらも、八五郎は赤い御神籤を、元の格子に戻しました。
それからほんの煙草を二三服した頃、
「それ見るがいい。お前みたいな、縁結びに取憑かれている野郎が来たじゃないか」
平次が指した粂の平内様の格子の前に、威勢の良い男がフラリと立ちました。まだ若そうな着流し、弥蔵が板について、頬冠りは少し鬱陶しそうですが、素知らぬ顔で格子から赤い御神籤を解く手は、恐ろしく器用です。