Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

「人が悪いなア、親分」

ガラッ八は少しばかり不服そうです。

「まア怒るな八、何でも判りさえすればよかったんだ。二人とも判ったんだから、怨みっこはあるまい」

「それっきりですか、親分」

「まだいろいろのことが判ったよ。手っ取り早く言うと、主人の久野将監様がお役目で一年前から長崎へ出張、異人との掛合いに骨を折っているのに、駒形の留守宅では、叔父の深田琴吾というのが、家来の山家斧三郎と腹を合せ、お妾のお新という女を立てて、奥方の浪乃様を、いろいろ難癖をつけて屋敷に居られないように仕向けた。お気の毒なことに奥方の浪乃殿は、お里方が絶家して帰るところもなく良人将監殿が江戸へ帰るまでは、滅多に死ぬわけにも行かない。跡取りの謙之進様――十歳になったばかりのを屋敷にのこし、十二歳のお嬢様早苗様というのと、お腰元のお菊、それに用人の市太郎をつれて、根岸の御隠殿裏の貸屋に籠った――不義の汚名を被せられ、親類一党から義絶された奥方としては、こうするよりほかに工夫はなかった」

平次の話はつづきました。

根岸に籠った奥方は蔭ながら屋敷にのこした倅謙之進の上を案じ、女の智恵の及ぶ限りの工夫をこらしてそれを守護しました。