Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

ガラッ八は昨夜の経験をこまごまと語りました。喰い付くような熱心さでそれを聴き入る平次。

「それからどうした」

「仕方がないから、品川からトボトボと歩いて帰りましたよ。親分の前だが、江戸は広いね」

「何をつまらねエ」

「だって、家へたどり着いたのは、亥刻(十時)近い刻限でしょう。気が付いてみると昼から何にも喰わなかったんで、いや腹が減ったの減らないの――」

ガラッ八は頬を凹まして見せるのでした。

「相変らず一文無しか」

「お察しの通りで、――帰ったら親分に借りて返すとして、拾った南鐐で、夜鳴き蕎麦の暴れ喰いでもしようかと思ったが、――怖い顔なんかしちゃいけません。そいつは思い止まりましたよ。――南鐐の面は大概同じだし、二朱に通用することに変りはないが、拾った金で腹を拵えちゃ、懐中の十手に済まねエ」

「呆れた野郎だ。一文無しで江戸の街を歩く御用聞があるものか。――いつ、どこへ飛ばなきゃならないか分らないじゃないか」

「相済みません」

ガラッ八はピョコリとお辞儀をしました。

「しかし、そいつはとんだ面白い話になりそうだ。――駕籠が停ったのは芝、田町に間違いあるまいな」