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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

「ヘエ、いらっしゃいまし。ちょうど今年採ったばかりの新しいのがございます。これ徳どん、そこからお入れ物を持って来てお眼にかけな」

美しい客と見ると、馴れているはずの店中も、何となくザワついて、二三人の番頭手代が、磁石に吸付けられる鉄片のように、左右から寄って参ります。

「それからアノ、白粉も貰って行きましょう」

「ヘエヘエ」

「それにお紅も」

大束な事を言って、お静はソッと店中に眼を走らせました。近頃出来の店構えで何となく真新しい普請ですが、そのくせ妙に陰気で妙に手丈夫に出来ているのが、娘の繊弱な神経を圧迫します。

「お茶を召し上がって下さいまし」

若い丁稚が、店使いにしては贅沢すぎる赤絵の茶碗に、これも店使いらしくない煎茶をくんで、そっとお静の傍にすすめました。

「有難うよ」

身扮に相応した堅気の娘なら、この茶は飲まなかったかも知れませんが、お静は水茶屋の女で、お茶を汲むことも汲ませることも馴れております。桃色珊瑚を並べたような美しい指でそっと受けて、馴れた様子で一と口、二た口。

「オヤ――?」

お茶にしては妙に甘い、そして香気が可怪しいと思いましたが、三口目には綺麗に飲んでしまいます。