Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

「なるほど」

平次は孫三郎に案内されて、仲間部屋に入って行きました。

「鉄はちょうどいないようだが」

「中を見ても構わないでしょうな」

「構わないとも」

孫三郎のうなずくのを見ると、平次は仲間部屋に入って行きました。三畳の隅っこに、蜜柑箱が一つ、行灯が一つ、蜜柑箱は机の代りになるらしく、その上に硯箱が置いてあって、箱の中には、手習をした塵紙が二十枚ばかり重ねてあります。取上げて見ると、何か往来物を習っている様子、下手は下手ながら、一生懸命さが溢れているのも不思議です。

「よっぽど心掛けの良い男ですね」

「渡り仲間には珍しい男だ」

「どれどれどんな物を持っているか」

三尺の押入を開けると、上は夜の物、下は竹行李が一つ、蓋をあけると、中から着替えが二三枚と、新しい手拭と三尺と、塵紙が少々、それに小銭の少し入った財布と、紙の包みが一つあります。

中を開けてみると、

「あッ」

三人声を合せたのも無理はありません。紙包みの中から出て来たのは、真新しい天具帖で包んだ紅皿が一つ、赤い半襟が一と掛けです。

「この野郎だッ」

わめく八五郎。

「待て待て、紅皿は真新しい、買ったばかりで手が付いていない、――それに半襟だけは余計だ」