Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

「私本当に困ったことがあるのよ、八五郎親分」

「あんまり困ったような顔じゃないぜ、何がどうしたんだ」

ガラッ八も引込まれるともなく、少しばかり真面目になりました。

「親分は私の妹を御存じねエ」

「知ってるとも、お秋とか言ったね、お前よりは二つ三つ若くて、お前よりも綺麗だった――」

「まア、御挨拶ねエ」

「その妹がどうしたんだ」

「両国の水茶屋を仕舞った時の借りがあったので、私と別々に奉公したんです。私は――今は止したけれど浅草の料理屋へ、妹は堅気がいいと言うんで、湯島の山名屋五左衛門様へ――」

「そいつは料簡が悪かったな、山名屋五左衛門は、界隈に知らぬ者のない癖の悪い男だ」

「それも後で聞きました。驚いて妹を取戻しに行きましたが、どうしても返しちゃくれません」

「給料の前借りでもあるのか」

「そんなものはありゃしません」

「証文を入れるとか、請人をたてるとか、何か形の残るものが向うへ入っているんじゃないか」

「知った同士で話をつけ、何一つ向うへは入っていません」

「それじゃ戻せないことはあるまい」

ガラッ八は一向手軽なことのように考えているのでした。

「女一人行ったところで、馬鹿にされて戻されるのがせいぜいです。