Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme
今までにもう、三度も追い帰されました」
「フーム」
「今つれて帰らなきゃ、妹のお秋にどんな間違いがあるかも判りません。独り者の山名屋はお秋を妾にする気でいるんです。あの娘には、まだ祝言こそしないが、決った許嫁があるのも承知の上で」
「そいつは気の毒だが、本人が帰る気がなきゃどうすることも出来ない」
「本人は帰りたいに決っています。あんな蛸入道が瘧を患ったような、五十男の手掛けになって、日蔭者で一生を送りたいはずはありません」
「…………」
「この間も私が行くと、逢われないながらも、二階の格子の中で泣いているじゃありませんか、私はもう可哀相で可哀相で」
「それで、俺に何をしろと言うんだ」
ガラッ八もだいぶ呑込みがよくなりました。
「決して無理なことをお願いするんじゃありません。山名屋の店先へ行って、見えるように見えないように、その懐中の十手をチラチラさして下さりゃいいんです。私が一人で乗込んで、主人を始め番頭手代と渡り合い、きっと妹のお秋を救い出して来ます」
お篠は一生懸命説きたてるのです。一時両国の水茶屋で、鉄火者で鳴らしたお篠が、妹のお秋を虎狼の顎から救い出したさに、ガラッ八の十手のチラチラまで借りようというのは、全く並々ならぬ危険を感じたからのことでしょう。