Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme
購読料が切れていると、あらかじめ印刷した催促のハガキを出す。そのたびに催促名簿へ年月日と氏名を記入し、その返事の有無をも書き込む。べつに郵便切手名簿へも「一銭五厘切手一枚、催促ハガキ用」等と書き込み、なお支出簿へも、「一銭五厘催促用支出」と記入するなど、一つの用件にたいてい三つか四つの帳簿に記入する必要があり、またその都度いろいろな印を印台から取出さねばならず、間誤ついた。
五厘切手使うのにも、まるで官庁のように、いろいろな帳簿に記入するので、社長の吝嗇な性格がひとごとならず、情けなく思われた。何かの時に支出簿を繰っていると、社員月給支払の文字が見えたので、注意して調べてみると、三年間に三円しか昇給していなかった。豹一はなぜか顔が赧くなった。その日の午後、ハガキに間違って三銭切手を貼ったところ、社長が見つけて、「もったいないことしいなや」と、きびしく注意した。周章ててはがそうとすると、「無茶したらあかんぜ」ハガキをもったまま、台所へ行き金盥の水の中に浸して、切手をはがして戻って来ると、「気イつけてくれんとあかんぜ。切手はこないしてめくるのやぜ」と、言った。