Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme
ぐらいのことはいっていた。ところが、それすらも言わなくなったどころか、「猿に毛が三本増えたって猿が幸福になれるもんか。そのでんで文化が進歩したって、人間が幸福になれると思うのは、大間違いだ」かつての自分の意見を否定し、おまけにその口調がふざけたものになってしまった、「文化人になりたいか? よし、五十銭出せ! 文化人にしてやる!」若い記者がしきりに映画論をやっているのを見ると、必ずそんな意味のいやがらせを言った。
土門は社会面の特種以外に映画批評も担当していたが、「キングコング」のような荒唐無稽な映画だけを褒めた。なお、飛行機や機関銃の出て来ない映画は、土門の批評によればつまらないというのだった。日本の映画では大都映画をしきりに褒めていた。レヴューが好きで、弥生座のピエロ・ガールスのファンだった。今日土門が豹一と弥生座の前で会うことにしたのも、じつはピエロ・ガールスを見るためであった。
七時過ぎになってやっと土門はひょろ長い姿を見せた。
「さあ、はいろう、はいろう」待たして済まなかったとも言わず、さっさと弥生座のなかへはいって行った。豹一は切符をどうするのかとちょっと迷ったが、そのまま土門のあとに随いてはいった。