Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme
そんな風にけちをつけたがるところ、つまり豹一は量見がせまいというのではなかろうか。たぶん、それに違いはあるまい。もともとの性質がそうなのだから致方のないところだが、ひとつには、彼には物ごとに対するはっきりした意見、つまり人生観だとか思想だとかいうようなものが欠けていたせいでもある。だから、このようにこせこせした意見だけを小出ししているわけだった。衝動的にしか物ごとが考えられず、従って行動出来ず、自尊心の振幅が彼を動かしていたわけであった。
多鶴子はそんな豹一の表情を見ると、いきなり昨夜の彼の無礼を想い出した。そして、わざわざ彼を電話で呼び出す気になったわけがはっきりとして来た。
全く、彼女はなんのために再び豹一に会う気になったのか、はっきりわからなかったのである。むろん、昨夜あんな風にされたままでは済まぬという気持はひそかにあった。が、それだけの理由で、彼に会うとは、余りにはしたないことではなかろうか。たかが相手はとるに足らぬ駈出し記者ではないか。そう思うと、電話を掛けたことを軽はずみだと後悔する気持が強かった。ぽっと顔を赧らめてはいって来た豹一を見ると、ますます気持が強くなった。