Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしゅんのぎゃくせつ

青春の逆説

織田 作之助

Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

それも入学試験のむずかしい一高と二高と三高だけに限り、合格した者は東京、京都のそれぞれの塾へ合宿させる。そんな条件に適いそうな生徒があったら推薦してくれと、府下の中学校へ申込んで来た。その候補の一人に豹一が選ばれたのである。

(すると、俺は貧乏人の子だと太鼓判を押されたわけだな)と豹一は思った。どうして校長がそれを知っているのだろうと考えて、思い当るところがあった。

(俺が授業料滞納の選手権保持者だということを知っているんだな)豹一はみるみる赧くなり、逃げ出したい位の恥しさだった。と同時にむっとした。(俺はそんな施しは御免だ! 四年から一高か三高へはいれた秀才に限るだなんて、まるで良種の犬か競走馬を飼うつもりでいやがる)

豹一は腹を立てたが、しかしそんな候補に選ばれたことは少くとも成績優秀だと校長に認められたことになるのだと、些か慰まるものがあった。そんな豹一の心にまるで拍車を掛けるように、校長は、

「君が行きたくないということは、実に惜しいことだ。他にも候補者はいるけれど、自校では四年から一高か三高へ大丈夫はいれるのは君ぐらいだからな」と言った。豹一の自尊心は他愛もなく満足された。