Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしゅんのぎゃくせつ

青春の逆説

織田 作之助

Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

赤井は顔中に微笑の皺をつくりながら言った。思い掛けず赤井の顔を見たことで、豹一はすっかり嬉しくなった。

「町へ行こうかどうしようかと考えているんだ」

「行こうか京極、戻ろか吉田、ここは四条のアスファルトだな」と、赤井は歌うように言って、「僕も行こうと思っていたところだ。どうだ、一緒に行かんか」

「行こう」

赤井を見たので、豹一は今夜の計画が容易く実行出来ると思った。寄宿舎の横の小門を出て、電車道伝いに近衛通の方へ肩を並べて歩きながら、豹一は、

「君は何故皆んなと散歩に行かなかったんだ?」

と訊いた。すると、赤井は急に背が伸びたような歩き方になって、

「僕は寄宿舎の連中が嫌いなんだ!」吐き捨てるように言った。そして、暫く黙っていたが、ふと引攣るような微笑を顔に泛べると、

「昨日僕は寄宿舎の連中に撲られたんだ。レインコートを着ているのが生意気だというわけさ」

なるほど赤井は紫色のレインコートをいまも着ている。

「なにも三高生が黒いマントを着て、薄汚い手拭をぶら下げて、高い下駄をはいて、蛮からな声で呶鳴って、みやびやかな京の町の風情を汚さなければならないという法はないよ。