Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしゅんのぎゃくせつ

青春の逆説

織田 作之助

Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

僕の親父なんだ」と眉毛をたれた情けない顔をした。その表情を見ると、豹一は、赤井の突飛な行動もあるいは此の父親のことが原因しているのではないかと思った。そう言えば、赤井の父親も向う見ずなところがある。すると、赤井が妙に気の毒になって来た。

(しかし……)と豹一は思った。(とにかく赤井の父親は赤井をその独特の方法で愛している。ところが俺の現在の父親と来たら、いまでも俺が高等学校から追い出されたら、俺を質屋へ使いに出す肚でいる。どっちが不幸か分るもんか)

豹一は父親に愛されている赤井と、憎まれている自分とどっちが幸福かと、大人じみた思案をした。が、やがて寺町通の明るい灯がぱッと眼にはいると、豹一はもうそんな思案を中断しほうッと心に灯をともした。

寺町二条の鎰屋という菓子舗の二階にある喫茶室へ上って行った。蓄音機も置かず、スリッパにはきかえてはいるような静かなその喫茶室が三高生達の記念祭の歌と乱舞で乱暴に騒がしかった。豹一と赤井はわざとそんな連中を避けて、窓から東山の見える隅のテーブルへ腰掛けた。女給仕に珈琲を註文した赤井は、ちらとその女の背後姿を見ながら、