Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme
や女道楽勝手次第自分の妻や子に対して一片の温情がない人も沢山ある。自分の一身を修め自分の一家を斉える事も出来ない人が一国の政治を論議するなんぞと大な顔をしているし、自分の家庭を神聖高潔にする事も出来ないで青年男女を教育すると威張っている先生もある。文学界の人は殊に何事も感情任せで蝸牛角上の争いをしているから文筆を以て天下に貢献するような仕事は出来ず、実業界は道義全く地を払って更に信用の重んずべき事を知らん。一々世中の事を点検してみたら誠実という分子は殆どないね」とこの人もまた世に慨する所あり。妹は初て驚ける如く「そうしてみるとあの大原さんはそれほどに貴いお方でしょうか」中川「先ず貴いといわざるを得んの。あの男が学校にいる時分頻りに心の礼という事を主張して支那や我邦の礼式は虚礼なり実礼にあらず、西洋の礼式も虚実相半ばしている、社会の文明を進めるのは心の礼を世間の人に教えなければならん、心で人を貴び人を敬し人を愛し人を憐むのが人の道だ、しかるに今の世人は口で人を貴んで心で人を賤むという風がある、譬えば学生の事にしても教場で教師の前へ出ると先生先生と尊重しているが寄宿舎へ帰ると教師の事を、彼奴は依怙贔負ばかりしてしようがないなぞと彼奴呼わりをする人がある、これこそ心の礼を知らん事で人間の悪徳だと大層そういう事