Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme
西洋風のナイフとフークとスプーンとが五人前だけ並べられたる側に杉の割箸が一本ずつナイフの側に置かれしこそ不思議なれと大原は窃に小山にその由を問う。小山も仔細を知らずして主人に質問し「中川君、今日は正式の御馳走と承ったが食卓の御様子では西洋料理の御馳走らしい。しかるにこの割箸はどういう訳だね」中川「アハハ、それは不審に思われるだろうが今日の正式は西洋料理にもあらず、支那料理にもあらず、僕の一家の正式だ。もっとも順序と料理法は西洋風を土台として和漢の料理を加えたのだが、割箸を添えた事については僕も大に議論がある。日本人は西洋人と違って少年の時から箸の使用法に熟練している。西洋人には真似の出来ない一種の技術を持っている。西洋料理を食べる時にもフークで物を挿すより箸で挟んだ方がよほど楽だ。しかるに日本人が西洋料理を食べる時にはわざわざ独得の技術を捨てて調法な箸を使わずに不便なフークを使うのはその意を得ない。僕は折々西洋料理屋へ往って箸を所望するよ。先日も料理試験のため妹と一所に或る西洋料理屋へ行った時鱚のフライが出たから給仕に箸を一膳ずつ貸してくれといったら妙な顔をしていた。