Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme
これではどうしたって料理の事へ心を向けられんよ」と弁護するのか悪く言うのかイヤに笑って我が妻を顧みる。妻君も苦笑いして下を向くは折々二度の髪を結う性と見えたり。主人の中川幾分か笑を含み「そこだテ、西洋婦人だって身を綺麗にする心は日本婦人に劣らん。かえって一層盛んな位だけれどもその方法が違う。西洋婦人のは内部から皮膚の色を清潔にする主義でなるべく料理へ手数をかけて営養分の多い食物を喫して内の方から顔の色を出す。実際日本人が長く洋行していると色が白くなるのは多く食物の結果だ。日本婦人は外からばかり磨く、お湯に入って一時間も二時間も磨いて磨いて遂には顔の皮まで摺り剥く人があるけれどもそれがためにかえって食物の事を度外視して粗悪な無造作な手数のかからない生煮の物ばかり食べるから顔の光沢は内部から悪くなって青いような黒いような陰気な色になり、お負けに年を積ると顔へ汚点が出来たりソバカスが出来たりする。医学上の説によると汚点やソバカスは営養の不足から出来るのだ。大病の後に出来る人のあるのはその証拠だ。日本婦人が外から顔を磨いて内からの食物を閑却するのは目的と結果とが反対になる。