Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

と言葉に力を籠て言えど娘はよくも聞取らずして台所へ立って行く。主人の中川大原の言葉に答え「君、僕の母は料理が上手だよ。妹如きものでない。母の手料理を君に食べさせたいね」大原「イヤ僕は御令妹のに限る」と言う処へお登和嬢がお更りの品々を持ち来る。大原手を出して盆の上より受取り「これは憚りさま、今度は最初よりも沢山ですね。少しお待ち下さい、もはや酒の刺撃力が利かなくなりましたから甚だ失礼ですけれども少々御免を蒙ります」主人「何をするのだ」大原「御令妹の前で甚だ相済まんけれども折角の御馳走を戴くために今袴を脱いで帯を弛める。先刻から帯が腹へ喰い込んで痛くって堪まらない。帯を弛めるとまた二、三杯は食べられる」主人「驚いたね、腹の皮はゴム製に違いないが君のはもはや弾力を失て伸たら縮まらん。お登和や、あんまり沢山お盛りでない。もしや大原君の腹の皮が破裂すると大変だ。しかし大原君、君の腹の容積にも限あるだろうが、よくそんなに入るね。一朝一夕に胃袋を拡張させようとしても到底そうはなれる者でない」大原「全く子供の内の習慣だ。僕の田舎では赤児がまだ誕生にならん内から飯でも餅でも団子でも炒豆でも何でも不消化物を食べさせる風だから大概な赤児は立つ事も碌に出来ないで茶漬飯を茶碗に一杯位食べるよ」