Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme
オホホ自分の勝手ばかり申して。貴嬢なんぞはどんな好い処へでもお嫁にいらっしゃられますよ、ですが気心の知れない人の処へいらっしゃるよりお兄さんのお友達か何かで気心の知れた人の方がようございますね。昨日貴嬢のお家へ大原さんという人がおいででしたか」お登和は名を聞いてさえおかしくなり「ハイあのお方は何かよく召上りますね」とさも驚いたように言う。妻君も共に笑い「あの人の大食は名代です。しかしあの人は大食の外に悪い所が少しもありません。正直でおとなしくってそうして心が極く実体ですよ」とためにする所ありてか良き点のみを挙げぬ。お登和嬢は悪き点のみを知れり「ですがあのお方は幾度も落第をなすって去年やっと御卒業だったそうですね」妻君「ハイ、それはそうですけれども御自分から頭の鈍い事をおっしゃって外の人の二倍も三倍も勉強なさるそうです。ああいう人の方が後生畏るべしだと良人も申しておりました。この節の才子といわれる人は直ぐ物を覚えて直ぐ忘れて勉強という事をしませんから学校を出るとその先は進歩しません。大原さんばかりは極く遅い代りに死ぬまで進歩するだろうという人がありますよ」