Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

大原さんが物を召上るのは舌で味うのでなくって口でお呑みなさるのです。一々味って物を食べる人には決して大食や暴食は出来ません。その証拠には料理人に長命な人が沢山あるので分ります。料理人が大食をしたら何ほどでも食べられましょうけれども自分が物の味を知っているとかえって無闇な乱暴食が出来ません。自然と注意して食物を択ぶようになります。東京で有名な赤堀老人も八十八歳、生間流の大家の西村門弥さんも八十四歳でお二人ともお達者です。長崎でよくこういうことを申します。美味しい御馳走はその前を駆けて通った位に食べなければ味がないといいます。それはホンの少しばかり食べておくのが一番美味しい処でそれより多く食べるとかえって味を消すという意味です。誰でも味の解らないお方が大食や暴食をなさるので、大原さんは牛肉鍋の五、六人前も平らげるとおっしゃいますがそんなお方に限って牛肉は背の肉が良いか腿の肉が良いか、肋の肉はどんな味だか、舌や尾はどんなものだか少しも御存知ありません。牛肉だといわれて馬肉を出されてもやっぱり美味い美味いと召上るようなお方が大食や暴食をなさるのです。物の味をお覚えになれば大原さんも自然と少食におなりでしょう」