Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志
吉川 英治
Lisez 三国志 (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 161 356 caractères · 323 écrans
二
と、ことさら、大仰に咎めだてした。
出陣の日は、わずかなことも吉凶を占って、気にかけるものである。不吉な言をなしたというのは大罪に値する。まして重臣たるものがである。
袁紹も怒って、田豊を血祭りにせんと猛ったが、諸人が哀号して、助命を乞うので、
「――首枷をかけて獄中にほうりこんでおけ。凱旋ののちきっと罪を正すであろう」
と云い払って出陣した。
ところが途中、陽武(河南省・原陽附近)まで進むと、また沮授がきて諫言を呈した。
「曹操は速戦即決をねらっています。後の整備や兵糧が乏しいためです。しかるに、その図に乗って急激にこの大軍で当られるのは心得ません。味方は大軍ですが、その勇猛と意気にかけてはとても彼に及ぶものではないに」
「だまれ。汝もまた、田豊をまねて、みだりに不吉の言を吐くか」
袁紹は、彼の首にも首枷をかけて、獄へほうってしまった。
かくて、官渡の山野、四方九十里にわたって、河北の軍勢七十余万、陣を布いて曹操に対峙した。
二
この日、馬煙は天をおおい、両軍の旗鼓は地を埋めた。なにやら燦々と群星の飛ぶような光を、濛々のうちに見るのだった。
午。陽はまさに高し。